「その割には固執してねぇ?」


「んな事ねぇよ」


協力して一緒にいたら情だって多少湧くだろ。


海斗の言葉を否定して、席につくと

俺は授業が始まってもその事を考えていた。


ずっと莉乃のことが好きだった。

でも莉乃はその事に気づいてない。


気づいたら……何て返事するんだろう。


相手にフリ向いて欲しい俺たちが一緒にいるよりも


莉乃のこと、好きなヤツと一緒にいた方が幸せなんじゃないか。


昔、自分が莉乃に言った言葉を思い出した。



『お前はさ好きなやつのこと、こんなに一途に思える奴なんだから


もっと思ってくれることを幸せだって思えるやつと付き合った方がいい』