しかし、言葉が出てくるわけでもなく

僕をチラチラ見ながら口を閉ざした。


もたもたしてる。


僕の嫌いなタイプだ。


「何?」


ただでさえイライラしてるのに


僕は冷たく彼女に視線を送った。


「あ、あの……っ

吉田未玖って言います。

これからよろしくお願いします。


有川くんですよね!

いっつも学年トップで張り出されてるから分かります

あの……彼氏として……

今日からよろしくお願いします」


恥ずかしそうに、でも丁寧に頭をさげるそいつに僕はさらに眉をしかめた。