「莉乃~教科書貸してくんね?」


朝から来るのは珍しいと思ったら

賢人は国語の教科書を借りに来ただけだった。


「汚さないでよね」


「わーってんよ。

って……大将じゃん。何してんの?」


教科書を賢人に貸した後

賢人は大将を見るとそんな言葉を言った。


「え、知り合い?」


「まぁちょっとしたな

つかお前らこそ仲いいの?」


大将がよって手をあげて挨拶する。


「仲いいってわけじゃないけど

腐れ縁。小中高って一緒なの」


私が淡々と答えると、大将は私の肩に寄りかかってきて言った。