僕たちはそんなに出なかった。


でも向こうは……。


「よくあんなに言えたよな」


「え?何、有川君」


僕がボソっとつぶやいた言葉に吉田さんは反応した。


「別に何も」


教えてはあげないけれど。


帰ろうかな、


そう思って視線をフェンスから手を離した時、

吉田さんは言った。


「あの……さ!

有川くんはどうして莉乃ちゃんの告白受け入れたの?」


さっきの話か……。

僕は莉乃と付き合っていた時の話をしたことがなかった。


「別に」


言うのもめんどくさいからそうやって誤魔化そうとしていたら