「なんだよマシって」


文句を言う賢人の第1ボタンまで閉めようとすると


「ちょ、おま……そこまでは閉めなくて」


ーーパチ。


至近距離で目が合った。


「お、おう……」


なんだか急に恥ずかしくなって来てぱっと離れると

賢人も目を逸らして言った。


「か、可愛くねぇ~」


「はっ?」


ムカつくんですけど!!!


もう一度向き直ると、彼は言う。


「なあ、この香水の匂いとって」


手を広げて待っている賢人。


……どうやってとるつもりよ。