「マンガの読みすぎだよ、誰だって近づいて来たら驚くけどそれだけだ」


そっか……


なんて言いながら私はバクバクしている心臓を抑えた。



誰でも心臓バクバクするのかな。


「ま、いいよ。

恋なんて分からなくても」


そう言って有川くんは立ち上がると私の方を見て言った。


「もう泣きやんだ?」


「うん……ごめんね、迷惑かけて」


「ホント。

泣き虫は一番嫌いなんだけど……」


その後に何かを言おうとしていた有川くん。


しかし彼は口を閉ざした。


「じゃ、また明日」