「昨日有川くんと一緒に帰った時にね」


友達のいない私には、彼の話しかなくて。


しかし、その話を口走ってしまうと


賢ちゃんは静かになってしまった。


「有川くんはすごく勉強が得意で……

分からないところ教えてくれてね」


そんな事にも気付かずに、私は話続けている。


すると賢ちゃんはうつむいた。


「あ、ごめん……」


今話す内容ではなかった。


やっと気付いた私。


だけど、もう遅くて

賢ちゃんは小さな声でつぶやいた。


「仲いいんだな……

前は俺くらいにしか心開かなかったのにな」