今日集まった時だって僕らは一言も話さなかったし


もしかしたら僕を避けるかもしれない。


そう思っていたけれど


彼女は僕が靴を履くのを待っていた。



「潤、ちょっとだけ一緒に帰らない?」


そしてゆっくりと言うその言葉。


なんだか落ち着いていて大人っぽくなったように見えた。


あれからそんなに時間は経ってないのに。

「ああ」


歩き出すと、また沈黙がやってくる。


何を話すべきか考えていると

莉乃の方が先に口を開いた。