お祝いで思い出すのはあの日君がくれた本だった。

家族からもらうプレゼントは勉強の教材ばかりで、それもお母さんやお父さんから直接
もらったことは一度もなくいつもお父さんの執事から渡されていた。

寂しいと思う毎日だったけど私や家族のために頑張って働いてくれているお父さんの姿
を執事さんがいつも私に話してくれていたから我慢できた。

小学4年生

私のために毎日お手伝いをして近所の古本屋さんから買ってきて恥ずかしそうに渡す君が大好きで大好きで

自分の誕生日を初めて愛おしく感じた。

信じられないくらいにうれしかったのを今でも覚えている。



それはよくある物語で皆が幸せになる物語だ。

主人公のお姫様は