「はあ。」

帰り道、菜摘と帰っているとまたため息をついてしまう。

わぁっ。

失礼だよね!

「菜摘…あのさっ…」

頑張って話した声も誰かに消されてしまう。


うぅ。


もう誰よ!


そう思って、振り返るとそこには




「遥斗くんと、実紅ちゃんじゃない」

そう菜摘がつぶやいた。



知ってるの?
そんなに有名なの?



「……い、行こっか??」

なんて作り笑いして菜摘に言う。


「あ、そーだね」

なんてなんも聞かないでくれる菜摘。


ごめん。ごめんね。


ただそれだけの言葉しか言えなかった。