ラブレッスン

ムッとした顔をする私につられてなのか、結城歩の顔もムッとしたものになる。




『…脱いでください。』





は?






「言われた通り着替えたのに今度は脱げですって?

あなたね…っ!!」


『そのカーディガン脱いでもらえます?

ストールも付いてたハズですよ?カーディガンではなくてストールに変えてください。』






…脱げって言うのはカーディガンの事ね。



昨日から思っていたけれど…




「あなた、目的語がないから言ってること理解するの難しいわ。」





それで営業務まってるの?




『…以後気を付けますから早く。』





ちょっとだけふて腐れた顔を見せた気がするけれど、
それも一瞬の事ですぐに命令口調になる。






脱げばいいんでしょう?
脱げばっ!!




半ばやけくそになりながら羽織っていたカーディガンを脱いで

代わりにストールを首から巻いた時、結城歩の後ろからマサが顔を覗かせた。