ラブレッスン

ポケットに手を入れて鍵を出し、鍵穴に差し込む様子をぼんやりと眺めていた。




ガチャリと音がして、鍵を引き抜き、そこでようやく私を見る。





目が合った瞬間、真剣な眼差しに胸がドキンと大きく音を立てた。





音もなく繋いでた手を離して、そのまま背中へと移動する。






そして開いたドアの向こう側へと、まず私から入るようにと背中を押して促がしてきた。





1歩前へ踏み出して玄関へと入った私の目に飛び込んできたシングルベッド、そしてその横にある小さなローテーブル
そして小さな流し台。







ワンルームマンションに住んでいるのね。





ご飯支度で魚でも焼いたら、シーツに匂いとかついてしまいそう…





そんなことを思ってた私の耳に、バタンとドアの閉まる音と、カチリという音が聞こえた。






ドアの閉まる音以外に何の音?



振り返った私が見たのは、私のすぐ真後ろで、私をじっと見ながら後ろ手で、鍵をかけた結城歩だった。