ラブレッスン

『なんか、疲れてません?目の下にクマありますよ?』





憎たらしい事を言われてるのに、心配そうな顔に喜んでしまいそうになる。






重症だわ。


こんなに好きになっていたなんて。






「色々あって眠れなかっただけよ。」






そう言ってお弁当を手渡した。







受け取ったお弁当箱を開けて食べ始める結城歩の横で、ボンヤリと空を眺めていた。






せめて食べ終わるまでは、こうしていたい。







そんな気持ちでいた私に、食べながら結城歩が話しかけてくる。






『そうだ、同級生に連絡してみましたよ。

しおり持ってるか聞いてみました。

…残念だけど…皆違いました。』







しおりという言葉を聞いて、今言うのが一番いいのかもしれないと思った。


わざとらしくなく、話ができるきっかけを結城歩が作ってくれたんだ…と。







私のもう少しこうして一緒にいたかったっていう願いもここまで…ね。