沢木さんがフロアを出てすぐに沢木さんのデスクにある電話が鳴った。





内線電話を知らせる音に、私は自分の席でその内線をとる。






「企画部遠藤です。」





電話の相手は白岩チーフだった。
会議が終わったので会議室の片付けをして欲しいという電話で、沢木さんは早退した旨と、代わりに私が行くと伝えて席を立つ。





沢木さんが早退したと聞いて白岩チーフの声が揺れていた。


白岩チーフ、本当に沢木さんが好きなのね…。
だけど沢木さんは結城歩に本気で…

きっと今回も実らない恋になってしまうだろう。






白岩チーフに同情しながら会議室のある上の階へと階段をつかって上がって行った。