ラブレッスン

『あれ?帰ったんじゃなかったの?…結城くんと。』





中に入って来たのは相田部長で、私を見ていきなりそう言って来た。






「お疲れ様です。吸い終わったら帰るつもりでした。」





まだ長く残っていた煙草を消そうとした所を手で制止される。





『僕に気兼ねする事なくゆっくり吸っていいんだよ。』





そう言われても、落ち着かないもの。





「いえ。寄るところもあるのでもう失礼します。」





設置された灰皿に煙草を押し付けて火を消し、そのまま捨てる。





メール文はまだ打ってる最中だったけれど、そのまま内容を破棄して携帯を閉じた。





『寄るところってどこ?』





壁に持たれながら片方の手をポケットに入れて煙を吐き出しながら尋ねてきた相田部長の目は





私を真っ直ぐに見つめて来てた。






いつもの笑みも、気遣うような優しい口調も無くて、
何を考えてるのかわからない表情でただ私を見てる。





何故だか背中にヒヤリとしたものを感じてしまって






相田部長から目を逸らすことも、問いかけに答えることも出来ずにいた。