ある日の会話…


『そーいえばさ、お父さんしか見てないけどお母さんは?』


もうこの頃には声が出ない。
だからボードを使って…


"こ"



"な"



"い"



『なんで?』


"わ"

"た"

"し"

"の"

"こ"

"と"

"き"

"ら"

"い"


"め"

"ざ"

"わ"

"り"


『なにそれ。母親のくせに。』


怒ってる。和也がお母さんに怒ってる。

そのとき。
扉が開いた。お母さんがいた。


「もーなにしてんのよ!海外に言ってたから何も知らなかったけど何よその体!)



やっぱりそーやってゆーよね。


"ご"

"め"

"ん"

"な"

"さ"

"い"


「さんざんふりまわしといてあげくのはてなに?くちがあるだからしゃべりなさいよ!!」


私はもうこのひとにはつたわらない。そう思い、涙を流しながら首を横に振った。


「もーこの役立たず!!」


そのとき。

『おい。それはねぇーやろ。おまえさ母親だろ?何その口調。今までこいつをひどい目にあわしといて。んだよそれ。』


「は?なによあんた。」


『彼氏。』

「かれしだかどーかしんないけどさ!あんたにかんけーないでしょ?」


『そーかもな。けどさ、だまってみてられるかよ。
何今まで育児放棄して、けがしたら心配させんなって。おまえ何様のつもりだよ。
今こんな目にあってんのに心配ひとつもしねーのかよ

お前それでもははおやかよ。

こいつの体は限界なんだよ。
毎日毎日お前らのためにずっと夜勤で働いて、その結果この始末。
かわいそすぎんだろ。
しかもたくさん病気かかえてんのに脊髄小脳変性症っていうもう絶対治らない病気にかかってんだぜ??
もー死にそうなのに心配しねぇーのかよ!!!

ははおやしっかくだろぉーがよぉ!!

しっかりしろよ!!!、
ふざけんな!!!!』


ものすごく怒鳴ってる。


「は?あんたになにがわかんのよ!!!!
あたしだってつかれてんのよ!!!毎日毎日育児。仕事。なのにこんなんになって。

おまけにしらないやつにふざけんな!!!!とか暴言吐かれても困るわ」

『お前さ子供をなんだと思ってんだよ。
おもちゃじゃねぇーんだって!!
利用されるためにうまれてきてんじゃねぇーんだって!!

なんのためにお前ら子供をつくったんだよ!!
子供を欲しくて作ったんならそいつが立派な大人になるまでしっかり育児しろよ!!

看病したれよ!!!』



「あたしだって…あたしだってがんばったわよ!!
くれはが大きくなるたんびに成長したなーっておもってるわよ!!けどね!ストレスでなにもかもうまくいかなくて、くれはとふれあえるのも少なくていつしかストレスをくれはにぶつけてた…

気づいたらこんな姿になって…」



私の目の前で母が涙を流した。

和也が私のことであんなふうに言ってくれるなんて。