4月―――



暖かい風と共に、桜の花びらが飛んできた。




私は晴れて高校生になったんだけど…



クラス表を見ると、知ってる人が一人もいなかった。




少し緊張しながら1年2組の教室のドアを開ける。







「あれー!?もしかして…」




ドアを開けてすぐのところに女子が固まっていて、その中にいた女の子が私に声を掛けた。




顔を見て驚く。




その子はこの前街で会った、優斗の後輩の女の子。




同じクラスだったんだ…!






「あ…確か…」




「有村美緒(ありむらみお)だよ!美緒って呼んで?」




この前と変わらない明るい笑顔に、たじろいでしまう。




普通にいい子なんだよな…



だから余計に落ち込んでしまう。