「だ、大丈夫だよ…!時間もないし」
佐田君のネクタイも買わなきゃならないし、
何より…佐田君の前だと恥ずかしい。
「それなら気にするな!俺はすぐ選べるから!」
佐田君が満面の笑顔で言ってくる。
「ほらほら彼氏さんもそう言ってくれてるんだし、着てみましょ?」
「えっ、ちょっ…!」
彼氏…!?
佐田君と店員さんのタッグで、私は試着室に押し込められてしまった。
「もう…」
二人とも強引なんだから…!
中の全身鏡に、ため息をつく自分が映る。
同僚に私服を見てもらうなんて、恥ずかしいに決まってるよ!
仕方なく手渡されたワンピースに着替える。
まずは水色…
「おっ、かわいいじゃん!なんか姫川っぽいな!」
佐田君が目を輝かせながら、褒めてくれた。
水色のワンピースは私がいつも来ている系統に近い。
王道な可愛さは私のツボそのものだ。

