「そんなに気使わなくていいよ?その気持ちだけで嬉しいし」
「いいのいいの!ついでだからさ、俺のネクタイも選んでくれない?俺ファッションセンスゼロだから!」
「もちろんいいよ!じゃあ今から見に行こうか?」
8時にレストランを予約して、私達は店内を見て回ることにした。
「でも姫川の用事が先だな!」
という佐田君の計らいにより、先に私達は地下のレディースファッションのフロアに来ていた。
「わぁ、かわいい!」
一軒一軒ディスプレイの前を通るたびに、立ち止まってしまう。
夏服は白とかパステルカラーとか、私の好きな色が多い。
こういうのも可愛いかも、なんて目移りしてしまう。
「女の子の服ってほんとに種類が多いなー」
感心したように、店を見回す佐田君。
お目当てのワンピースはお店のマネキンが可愛く着ていて
「あっ、これだ!」
後ろにかかってるハンガーのものを手に取る。

