「笑えねーよな!俺フォーマル用のこれしか持ってないのに!」
確かに笑えない。
この汚れだと、クリーニングに出さなきゃ無理そう。
けど、式は明日だもんね……!
「それは大変だね……!」
「だからさ。今日仕事終わったら買いに行かないと……」
ネクタイを見つめ、ため息をつく佐田君。
「それなら急がないと!残業してたら、お店閉まっちゃう!」
机に突っ伏したままの佐田君を横から覗き込む。
「おう…やんなきゃな」
佐田君は目をこすりながら、イスをひいて体を起こした。
「うん!私も手伝うから頑張ろ?」
「ああ。さんきゅ」
自分の仕事が早く終わった私は、佐田君の書類を半分預かった。
二人で手分けしたり、相談しながらやったこともあり、仕事は順調に進んだんだ。

