アフター7の婚約者サマ!?


窓の外に夜の街が流れていく。

そういえば。

八王子さんとタクシー乗るの、二日連続だ…

なんか不思議な感じ…


「悠里」

「は、はい…っ」


急に名前を呼ばれて、声が裏返ってしまう。

八王子さんは窓枠に肘をついたまま、私を見下ろした。


悠里って呼ばれるのは二回目。

けれど、やっぱり落ち着かない。


グーにした両手を太ももに置いて縮こまりながら、八王子さんの返事を待つ。


「来週の水曜日の夜空いてるか?」

「はい…」

「じゃあ…飲みに行くぞ」

「えっ?」

「婚約者としての初仕事だ」


”婚約者”という単語に心臓がドクンと跳ねる。

は、初仕事って…?