「………っ!」
驚いて目を見開く私。
八王子さんはクスクスと笑いながら、私の頭に手を置いた。
「冗談だよ……落ち着いたか?」
優しく言いながら、覗き込んでくる。
私は頷いて、もう一度お礼を言った。
「じゃあそろそろ帰るか」
「はい…」
八王子さんに続いて廊下を歩いていく。
席に戻ると、八王子さんは入り口で待ってろ、と私を制した。
自身は課長のもとへ行き、何かこそこそと話している。
その間、課長や近くの人が何度も私を振り返っていた……
「えー!八王子くん二次会来ないのー!?」
「すみません、部下の管理も自分の仕事なので。自分の分まで楽しんできてください」
「わかったー…おやすみ八王子くん」
「おやすみなさい」
口を尖らせる町田さんに、丁寧に挨拶する。
と、八王子さんは私の席に寄って、カバンを持ってきてくれた。
「……帰るぞ」

