アフター7の婚約者サマ!?



何も言えずに立ち尽くしてると



「言っとくけど、お前に拒否権はないからな」



うぅっ!


ぴしゃりと言われて、もはや反論なんて不可能。

そもそも、私と佐田君が原因をつくってしまったんだし、これは仕事の上司である八王子さんからの命令だ。


YESかNOか、なんて悠長なことは言ってられない。

やるしかないんだ……!


ドクン…ドクン…

うるさい心臓に「覚悟を決めなさい」と言い聞かせて。

ぐっと手を握り、口を開いた。


「……わかりました。やらせていただきます」


八王子さんはクスッと笑うと、私の顎に手をあて自分の方を向かせる。

目が合うと、澄んだ黒の瞳が少し細められた。



「よろしく、婚約者さん」



甘い囁き…

なんて程遠い、冷たい口調。


それでも、ちょっと微笑まれただけでドキドキしてしまう。

私って単純すぎるのかな?