好きだからなのか、驚いているせいなのかはわからない。
けど。
この胸の高鳴りこそが、シンデレラストーリーの幕開け……
「あ、あの……」
「おまえ、
責任とって俺の婚約者になれよ」
甘い魔法にかけられて、姫は王子に囚われるー…
「こん…やくしゃ……?」
呆然とする私の言葉に、八王子さんは顔色一つ変えずに頷く。
「あぁ。じゃなきゃ、俺はあいつらに合わす顔がないだろう?」
「それは……そうですけど」
成行きとはいえ、八王子さんは友達に私が婚約者だと宣言してしまった。
今更嘘でしたなんて言える空気ではないけど……
「別に、本気で婚約者になる必要はない。あいつらに会うとき、俺の横で、婚約者っぽく振る舞ってくれればいいだけだ。
簡単なことだろう?」
「………っ!」
こんなのって!!
ずっとずっと大好きだった八王子さん。
婚約者を演じるなんてできないよ……っ!!

