申し訳ない気持ちで、深く頭を下げた。
その瞬間……
八王子さんがわずかに口元を緩ませたことに、私は気づけなかった。
「今……」
「え?」
「なんでもするって言ったな?」
「は、はい…っ!?」
八王子さん!?
急に低くなった声に、動揺が隠せない。
慌てて顔を上げると、夜明かりが照らした八王子さんは、クスッと笑みを零す。
初めて見るような、意地悪な表情……
「その言葉、撤回はさせないから」
「八王子さ…っきゃ!!!」
ドンッー!!!
答えるより先に両腕を掴まれた。視界がぐるんと反転して、背中が塀に押しつけられた。
な、なに………っ!
お互いしか見えないくらいに顔が近い。
その距離感だけで、私の思考回路は停止寸前だというのに。
バクンバクンと心臓は壊れそうなくらい激しく鳴っている。

