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さまざまな色のネオンが夜の街を彩る。
もう12時を回る時間だというのに、道行く人は絶えない。
眠らない街。
それは、人々を虜にする甘美な誘惑。
八王子さんはその一切に目もくれず、ずんずんと歩いて行く。
あたしを抱きかかえたまま、一言も喋らない。
八王子さん………。
話しかけようにも、八王子さんの表情が険しくて、思い留まってしまう。
それを繰り返しているうちに、気付けば街を抜けて、海沿いの公園にたどり着いていた。
街とは違う静かな場所、
海が街の明かりを余韻のように映し出している。
駅からも遠ざかってるし、
多分、終電も逃しちゃったよ……
このまま一体、どうなっちゃうんだろう?
そう思い始めた矢先。
「ここまで来れば、あいつらにも出くわす心配はねえな」
ゆっくりと足を地面に下ろされた。

