ちょ、八王子さん!
何言って………っ!
「~~~っ」
"誤解です"と言いたくても、
八王子さんの胸にぎゅっと頭を押しつけられて、喋ることができない。
どうすれば…っ!
「咲人。その子困ってるんじゃ…」
さすがに無理がありすぎる状況に、友達が止めに入ってくる。
「ふぉうふぁんへす~(そうなんです)!」
「なになに?俺の友達の前だから緊張してんの?仕方ない奴だな」
それでも八王子さんは動じるどころか、クスッと余裕の笑みを零した。
そして突然。
「っきゃ」
ふわっと体が浮き上がる。
……う、うそっ、これって//
私……
今、八王子さんにお姫様抱っこされてる//
「あ、あの…「あー、悪い。いきなりでコイツも緊張してるみたいだから今日は帰るわ」
え…っ!?
八王子さんは、私を抱きかかえたまま歩き出す。
「おい、咲人!
…ったく、悠里ちゃんのこと、あとでちゃんと紹介しろよ」
「……わかってるって。
それじゃあな」
ガチャン
背中に聞こえた友達の声は、店のドアと共に閉ざされた。

