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「だから私が結婚するまで、姫川ちゃんは咲人と結婚できない。
それでも、姫川ちゃんは咲人を好きでいられる?」
美香さんは振り返りながら笑う。試すように強気な、悲しそうな笑顔で。
"咲人を取らないで"とでも訴えかけるように。
「最低なことを言ってるのはわかってる。けれど咲人を失いたくないの……」
大きな瞳から涙がポタリと落ちる。その雫には、彼女の八王子さんへの想いが現れてる。
どこまでも透明できれいな想い。きっと美香さんの八王子さんへの想いは本物。だけど私はー……。
「ずっと好きでいられます。
咲人さんのこと、信じてますから」
自分でもびっくりするくらい、はっきりと言い切った。

