アフター7の婚約者サマ!?


咲人が足を止める。

何も言わない大きな背中に、おそるおそる話しかけた。


「……ごめん咲人…迷惑かけてごめん……。
恐かったの…一人になっちゃうのが……」


謝らなきゃいけないこんな状況でまで、自分の話をしてしまう自分が嫌だった。

でも、どうしても恐くて。咲人と離れるのが嫌で。

ガタガタと震えが止まらない私の肩を、咲人が掴んだ。彼は疲れたような困ったような笑みを浮かべていた。


「美香のこと、一人になんてしないよ」

「別れるくせに……?」

「うん」


迷うことなくそう答える咲人の気持ちがわからなかった。

だって別れるってことは、もう一緒にいれないってことでしょ?

もう私のこと好きじゃないんでしょ?


「意味わかんない!結局いつかは他の子を好きになって、その子のところに行っちゃうくせに!」


咲人の両腕に掴みかかって、うつむいて泣きじゃくる。

咲人は「誰もそんなこと言ってないだろ」とため息を零した。

「だから泣かないで、美香」

咲人は優しくそう言って、頭にポンと手を置いた。