"最初は映画を見たいですね。でも私はアクション映画は得意じゃないので、恋愛映画がいいです。
彼が私の好きそうな映画を調べておいてくれて、さりげなく連れて行ってほしいです"
「……っ」
思わず息をのんだ。
だって、その光景がすぐに想像できてしまったから……。
前に私が八王子さんに連れて行ってもらったときと全く同じ。
アクション映画が好きなはずの八王子さんが、恋愛映画を一緒に見てくれた。
八王子さんのさりげない気遣いは、それは美香さんのためにそうしてきたからなんだね。
"お昼は景色のいいレストランがいいです。
それで、さっきの映画の感想を話し合うんです"
"夜は公園を2人で散歩するんです。
ライトアップされた通りを歩くだけで、ロマンチックな気分になりますよね"
あれも、これもみんな同じ。私が幸せだと感じていたデートの裏には、全部全部美香さんの存在があった。
幸せだったころの八王子さんと美香さんの想い出ー……。

