アフター7の婚約者サマ!?


周りにいる誰も気づかない、2人だけの秘密のやりとり。

八王子さんの言葉がうれしくて、優しく笑ってくれるのがうれしくて、自然と私も笑顔になって頷いた。

"どういたしまして"と想いを込めて礼をして、私は席に着いた。


「おはよう佐田君」

「姫川…はよ……」


隣の佐田君が、眠そうに頬づえをついているのもいつも通り。

デスクのノートパソコンのスイッチを押して、カバンからファイルとペンケースを取り出してると、佐田君が目を擦りながら、こちらを見ているのに気づいた。

「佐田君……?」

「あ…いや……いつもの姫川だなって」

え……?

言っている意味がわからなくてキョトンとしていると、佐田君は「なんでもねーよ」とぶっきらぼうに言って、パソコンのほうを向いた。

その頬は赤くて、少しだけ照れくさそうな表情。それを隠すかのようにマウスを動かしている。

佐田君……。

きっと私のこと心配してくれてたんだろうなと思った。八王子さんのことで落ち込んでたとき、佐田君は気づいてくれていたから。

ありがとう佐田君……。

心の中でたくさんお礼を言って、私も仕事に取り掛かった。