答えなんて最初から決まってる。それ以外を望むなんてありえないの。だから……
「待ってます。
だから……約束ですよ?」
そっと手を伸ばして、小指と小指を絡める。私より大きくて温かいあなたの手。
絡めた指の向こうに見えるあなたが、涙で一瞬ぼやけた。
「もう……一人で苦しまないでください。
私はあなたの婚約者なんですから」
それが偽物の関係だとしても、それでも。
今はこれが私達を繋ぐ精一杯だから……。
「ありがとう、悠里」
でも大丈夫。たとえ"好き"という言葉がなくても、あなたの想いはちゃんと伝わってる。
「”咲人”さんも、ありがとうございます」
その笑顔が見れたことが何より幸せですー…。
そのまま、八王子さんは私の手を握ったまま眠ってしまっていた。
でもその表情は穏やかで、おでこにそっと触れると熱もだいぶ下がっているみたい。
色々あって疲れちゃったんだろうな……。
そう思って、その日は起こさないように帰ったんだ。

