アフター7の婚約者サマ!?



「ごめんな」と彼は繰り返して、ギュッと手を握る。

優しくて大きな手に、恐怖心が少しずつ解かれていく。

私の手の震えが止まるまで、ずっと握っていてくれたんだ。


八王子さんは全部話してくれたんだもん。

きっと言いたくないこともあったはずだけど、それでも話してくれた。


それにどっちにしろ、もうこのままじゃいられない。

八王子さんとずっと話せないままなんて嫌だもん。


だから私も覚悟を決めなきゃ。この現状から、前に進む覚悟を……。


ブラウスの胸元をぎゅっと押さえて、顔を上げる。


だけど見えた八王子さんの表情はー……。



「あのさ、悠里。

……待っていてくれないか?」


「待って…る……?」


思わず聞き返すと、八王子さんは頷いた。そしてまっすぐに私を見つめてくる。


「勝手なこと言ってるのはわかってる。
けど、どうしても待っていてほしいんだ」


覚悟を決めたような強い言葉に、心臓がドクンと鳴った。