「もうアイツとは別れろ。
俺が傍にいるから。美香のこと幸せにするから」
美香が俺をどう思っているかなんてわからない。それでも伝えたかった。それくらいに美香に惚れてたんだ。
美香はしばらくうつむいていたが、やがて肩を震わせながら口を開いた。
「………うん」
涙交じりの小さな声。それでも震える手で、俺の手を握り返してくれた。
ドオォオン!
その瞬間花火が黒い空に鮮やかに咲いた。祭りも終わりに近づいているんだろう。
「きれい…」
「そうだな」
「咲人と見れて良かった……」
花火に照らされながら笑顔を見せる美香。きっとそれは心からの笑顔だと思う。
だってその表情は、夜空に咲くどんな花火よりも綺麗だったからー……。
その夜。
美香は彼氏と別れて、俺の彼女になった。
それからは幸せだった。美香に約束したとおり、絶対幸せにしてやるって思ってた。

