仕事では、その発想力や行動力が発揮され、同期の中でもとても活躍している。
一緒に働いていて、佐田君にはすごくお世話になった。
でも。
それとこれとは別問題。
尾行なんて一歩間違えれば犯罪行為に等しい。
「私はいいよ。
そんなことしたら、八王子さんに悪いもん」
「え~~~。
姫川が付き合ってくれなきゃつまんないじゃん」
「つまんないって、佐田くん……」
呆れ顔の私を見ても、佐田くんは笑顔を崩すことはない。
「本当はさ………」
そしていつも笑顔の彼の場合、
―…時に意地悪を言う笑顔、というものも存在するのだ。
「俺より姫川の方が知りたいでしょ?」
「……………っ!!!」
さ、佐田くん……っ!?
何言って……!!
私はパクパクと空いた口が塞がらない。

