アフター7の婚約者サマ!?


髪をアップにして、いつもよりも濃い化粧。それでもすぐに美香だとわかった。

いや、姿を見る前から予感していたのかもしれない……。

たった今殴られたであろう口の端から血を流して、怯えた目で男を見上げている。

美香……!

「くそっ……!」

ビニール袋を投げ捨て、夢中で美香に走り寄る。地面にしゃがみこんで肩を掴んだ。


「美香!」

「咲…人……」


傷口を手で押さえながら、震える声で俺を呼んだ。美香は泣いていた。

その表情を見てひどく後悔したんだ。どうして今まで何もできなかったんだろう。

こんな怪我する前に、どうして助けてやれなかったんだろうって。

でも今はそんなこと言ってる場合じゃない。


「立てるか……?」


俺の問いに美香は頷くと、俺の手を掴みながらゆっくり立ち上がる。俺はその手をギュッと握る。


「走るぞ!」