けれどその下で、手が震えてるんだ。グーにした手のひらを強く握って、必死に堪えるように。
俺だけが気づいていた。
友達の中で笑っているときも、美香は泣いているように見えた。
触れたら壊れてしまいそう、そんな気がして。
気づけば美香から目が離せなくなっていた……。
ある日の授業前。教室を出ようとする美香を呼び止めた。
その休み時間も、美香は女子の環の中で彼氏の話をしていたんだきゃーきゃーと騒ぐ友達の声で内容はよく聞き取れなかった。
それでもまた嘘をついていたんだろう。振り返った美香はどこか疲れた顔をしていた。
けれども、明らかに気まずそうにうつむかれてしまって、俺は。
「無理すんな。辛くなったら言え」
そう言うのがやっとだった。言ったところで、また「咲人には関係ない」って言われるんだろうなって思っていた。
けれど違った。
「……ありがと、咲人」

