アフター7の婚約者サマ!?



「……楽…しいよ」


一呼吸おいて、美香は手のひらをグッと握りながら、震える声で答えた。


「じゃあなんで泣くんだよ!」

「別に泣いてない!」


叫びながら、力づくで俺の腕を振り払おうとしたから、両手首を掴んでガンッと壁に押し付けた。


「泣いてんだろ!嘘つくな!
夢にまでうなされるぐらいに恐がってんのに、なんでそんな男と別れないんだよ!」

「い…たっ!」


ギュッと目をつむり、苦痛に顔を歪める美香。

それを見てハッとなった。美香が今怖がってるのは彼氏じゃない。俺のことだ……。

「悪い……」と、手を離すと美香は床に崩れ落ちた。

うつむいたまま肩を震わせる美香を見ても、俺は立ち尽くして声すらかけることができなかった。

どうしていいかわからなかったんだ……。