アフター7の婚約者サマ!?


腕を掴んだまま呆然と立ち尽くしていると

「別に…咲人には関係ないでしょ……!」と美香は低い声で言って、俺から顔を反らした。

関係ないって……。


「そんなアザ見て、ほっとけるわけないだろ。
どうしたんだよ…誰にやられたんだよ…!」

「別になんともないって……」

「親か…友達か?」

「だからそんなんじゃない…」

「それとも彼氏か?」

「……っ」


"彼氏"という単語で、美香の肩がビクッと小さく揺れた。

うつむいたまま唇を噛みしめて震えている美香を見れば、一目瞭然だった。

彼氏か……。

美香に彼氏がいるのは、俺らの間では周知の事実だった。けれど……。

「そんな彼氏と付き合ってて楽しいか?」

友達として心配だったのか、男として泣いてる女を放っておけなかったのか。

それとも俺は既に美香に惚れていたのか、自分でもよくわからない。

自分の口から出たのはそんな言葉だった。怒りを抑えきれなかったんだ。