「咲人!?大丈夫!?!?」
床に横たわる八王子さんを見るなり、駆け寄って肩を掴んでいる。
固まる私の横で、何度も八王子さんの名前を呼んでは、肩を揺すっている。
「やだよ咲人……!
嫌……!行っちゃやだよ。傍にいて!」
大粒の涙をボロボロと零す美香さん。
「……っ」
声に気づいたのか、八王子さんがうっすらと目を開ける。
苦しそうに息をしながら、目元を押さえ、横を向いた。
「大袈裟なんだよ。
熱で具合悪いだけだから……」
掠れた声で答えると、美香さんは私が見ているにも関わらず八王子さんに抱きついた。
「よかった…咲人……!
美香……咲人がいなきゃ死んじゃうよ」
「だから…そんなこと言うなって。
いつも言ってんだろ」
「でも、本当のことだもん!」
抱きつく美香さんを見ていると、二人の関係がますますわからなくなる。

