まさか、そんな…………!
思いもしなかった言葉に、頭がカナヅチで殴られたような気分になる。
だけど言われてみれば、そんな気がしてならない。
もし八王子さんに彼女がいたとしたら………
なんて、考えたくないよ!!!
事実かわからないことで、ショックを受けてる私も私だけど。
「怪しいニオイがするんだよな~。
八王子さん、さっきも恋愛に興味ないとか言ったし、社内の女子に言い寄られても全然相手にしてないじゃん?俺の推理ではあの人、彼女いると思うんだよ」
なんて探偵風に手のポーズをとりながら、佐田くんは八王子さんに視線を向けた。
相変わらず八王子さんは、女子社員がいれたコーヒーにさえ手をつけずに、キーボードを叩き続けている。
「…そうかもしれない」
他人事のように答えみても、心はとても痛い。
本当かどうかなんて確かめようがないけど、もしそうだったら嫌だよ……。
数メートル先の席の八王子さんがすごく遠く感じてしまう。

