アフター7の婚約者サマ!?


八王子さんが提案したのは、最寄駅の中にある喫茶店だった。

「わかりました」と頷き、八王子さんの後に続いて歩いていると。

ふいに、ポツリ―と頬に冷たいものを感じたと思うと、急に雨がザーザーと降り始める。

「うそ……!」

ちょっと前までは青空で、いいお天気だったのに……!

ちょうど大きな公園の横を歩いていたため、近くには建物はない。

「強くなってきたな。
弱くなるまで雨宿りしたほうがいい」

八王子さんが公園の屋根付きのベンチを指さし、私達はその下へ急いだ。


「濡れちゃいましたね……」

髪を触ると水滴が手につく。けれども、それさえ気にならないくらいスーツも鞄もビショビショだった。

「風邪ひくから拭いとけ」

そう言って、八王子さんがハンカチを差し出してくる。

「大丈夫です…!私も持ってますから。
八王子さんも拭いたほういいですよ」

慌てて、スーツのポケットからハンカチを取り出すけど。

「あ……」

ハンカチまで水が染みて、使い物にならない状態だった。