アパレル社のあるフロアからエレベーターで降りて、エントランス付近を佐田君と並んで歩く。
「今日は余計なことして悪かったな。ついカーッとなっちゃって……」
「そうだよ佐田君。みんなに注目されて恥ずかしかったんだから」
「ほんとにごめん!」
両手を合わせて謝る佐田君に、思わずクスリと笑みが零れた。
「嘘だよ」
「え?」
「佐田君が言ってくれてすっきりした。八王子さんのこと、本当は結構悩んでたから」
「やっぱり八王子さん、姫川に何かし「それは違うよ」
佐田君の言葉を遮り、目を閉じて首を大きく横に振った。
「八王子さんのせいじゃない。私が悪いの」
私が……気持ちを伝えて困らせてしまったから。
「詳しくは言えないけど……でも。
今日話せることになったから、ちゃんと謝る。だから私は大丈夫」
笑顔を作って佐田君を見上げると、佐田君は眉を下げながら微笑んだ。

