アフター7の婚約者サマ!?



「姫川、今日が終わったら話そう。
それまで、ちゃんと仕事できるか?」

「はい」

「ありがとう。じゃあ後でな」

ほんの少しだけど、八王子さんの目が細められる。

作り笑いかどうかはわからないけど、彼が笑うのを見たのは久々な気がした。

八王子さんの話……どんなことを言われるかはわからない。

けれども私は謝らなくちゃならない。告白して八王子さんを困らせてしまったんだから……。

そしてせめて昔と同じ、上司と部下の関係に戻れたら……なんて。

そんなこと本当は望んでないくせに……。


午後のスケジュールは、実際に服を見せてもらい、載せるものを検討することだった。

「夏なのに、もう冬物なんですね……!」

クローゼットには、ダッフルに、チェスター、ドーリーコートなど、様々並んでいる。

「そうよ。現場ではもう次の春の話も出ているくらい。夏なのに毎日コートばっかり見てるのも暑苦しいわよね」

苦笑いしながら、デザイナーさんがかかっている白いコートを手に取った。

「でも、あなたも秋になったらこういうの着たくなるでしょ?」

そう言って、私を鏡の前に立たせ、コートを合わせてくれる。

わ……。

「かわいい……!」