アフター7の婚約者サマ!?



「姫川……」


横で佐田くんが名前を呼んだ次には。

佐田君は私の横をすり抜け、八王子さんに向かって廊下を猛ダッシュしていた。


「待てよ!!」


八王子さんの肩を掴み、声を張り上げた。フロアにいたOLやビジネスマン達が一斉に二人のほうを見る。


「佐田、何大声出してる。今は仕事中だって言ってる……」

「仕事中?おまえだって部下の姫川のこと泣かしてるじゃねえか!」

「………」


ふいに、こちらを見た八王子さんと私の視線が絡まった。

「……っ!」

うそ……!

予想外のことに、溢れそうになっていた涙を必死に堪えるけど、すでに涙は頬を伝っていた。

「姫川……」

「何驚いてるんだよ!アンタが泣かせたんだろ!?」

「……っ」

荒々しく叫びながら、佐田君が八王子さんの胸ぐらを引っ張った。