ぺこっと頭を下げて、缶を受け取ろうとすると、一瞬、八王子さんの指に私の手が触れてしまう。
「……っ!」
八王子さんが目を見開いたと同時に、カランと音を立て、缶が下に落ちた。
「すみませんっ」
転がっていっちゃう!
慌てて缶に手を伸ばすと、八王子さんも拾おうとしたのか、また手がぶつかった。
「あ……」
数秒の沈黙のあと、八王子さんはため息をついて目を反らす。
「悪い」
私の手に無造作に缶を置くと、会議室のほうへ戻って行ってしまった。
八王子さん……。
先週は手を繋いでいたのに、今はほんのちょっとぶつかっただけで、こんなに冷たい。
気持ちに応えられないどころか私…嫌われちゃったんだろうな。
遠くなっていく八王子さんの背中が、涙でぼんやりと滲んだ。

