アフター7の婚約者サマ!?


ぺこっと頭を下げて、缶を受け取ろうとすると、一瞬、八王子さんの指に私の手が触れてしまう。

「……っ!」

八王子さんが目を見開いたと同時に、カランと音を立て、缶が下に落ちた。

「すみませんっ」

転がっていっちゃう!

慌てて缶に手を伸ばすと、八王子さんも拾おうとしたのか、また手がぶつかった。

「あ……」

数秒の沈黙のあと、八王子さんはため息をついて目を反らす。

「悪い」

私の手に無造作に缶を置くと、会議室のほうへ戻って行ってしまった。


八王子さん……。

先週は手を繋いでいたのに、今はほんのちょっとぶつかっただけで、こんなに冷たい。

気持ちに応えられないどころか私…嫌われちゃったんだろうな。

遠くなっていく八王子さんの背中が、涙でぼんやりと滲んだ。