アフター7の婚約者サマ!?



そんなことされたら……。


「八王子さん……」


夢中で、八王子さんのジャケットの背中を掴んでいた。


「悠里?」

「……好き」


抑えきれなかった。


「八王子さんが好き…です」


想いが溢れて、止まらなくなって……。


「……っ!」


グイと引かれた腕とともに、私は八王子さんの胸に体を預けていた。


「ありがとう」


優しくて、切なげな声が聞こえた。

私の存在を確かめるように、肩を抱く手に力がこもる。


八王子さん……。


彼はそれ以上何も言わなかった。

いや、言えなかったかもしれない。


私を離そうとしない彼の手は…ひどく震えていたから……。