「騙されませんよ!」
「それはどうかな?
好きでもない男に抱きしめられて、顔赤くしてるような奴が」
「そ、それは……」
好きだからだよ。相手が八王子さんだから。
「赤くなんて……。
咲人さんから、私の顔見えてないくせに」
もちろん言えるはずもなくて、憎まれ口を叩いてしまう。
可愛くないなって思うけど、認めてしまうのは恥ずかしいから。
「見なくてもわかる。
なんなら、確かめてやろうか?」
「えっ!?」
無理無理!絶対に無理!
赤くなってるのくらい、顔の熱っぽさでわかる。
自分で墓穴掘ってしまったと、頭の中で激しく後悔した。
「……嘘だよ」
クスッと低い吐息が聞こえたかと思うと、後頭部に手を置かれ、ますます強く抱きしめられる。
「それより今はこうしていたい」

