その刹那。
公園の木々が水色の明かりで灯されて、幻想的な世界へと変わる。
「八王子さん……?」
それはどういう……
「映画終わったあと、俺が元気ないこと心配しててくれただろ?
あと…このまえ俺のダチと飲んだときも」
「はい……」
八王子さんの腕の中で、ワンピースの胸元をきゅっと掴みながら、目を閉じた。
心配するに決まってるよ。
あんなに悲しそうで、苦しそうな顔してたんだから……。
「何も言わないのに気づいてくれた人は初めてだよ。
しかも、普通は怒って俺を問い詰めるだろ。
婚約者なんかさせられてるのに……」
そう言って、自身をあざ笑うかのような悲しい笑顔を浮かべる。
そんなの……。
もちろん気になってたし、聞きたかったけど
「私が聞いたら……
八王子さん、悲しいこと思い出しちゃうでしょう?」
これ以上悲しい顔させたくなかった。辛い思いさせたくなかった。

