「たまにはいいかなって思って。
女子はアクションより恋愛モノが好きそうじゃん」
「さすが八王子さん、ご名答です!」
「あれを見て、怯える姫川を眺めるのも楽しそうだったけどな」
『ショッキング・ザ・ゾンビ』の看板を指さしながら、八王子さんはクスッと笑った。
「ダダダダダダメです!それだけは…!」
想像しただけで足がガタガタと震えてくる。
「ははっ。おまえほんと面白いリアクションするな。
からかいがいがあるよ」
「も、もう…!」
頬を膨らませながら顔を逸らすと、グイッと手を引かれて、顔を近づけられた。
「ごめん、意地悪しすぎた。許して」
そうやって真っ直ぐ見つめられるとほら…
また心臓がうるさくなって鳴りやまない。
「……」
目を合わせることすら恥ずかしくて、私は視線を逸らしたままコクンと頷いた。
すると、八王子さんの顔が優しい笑みをたたえる。

